屋台紋(やたいもん)

 

 


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 家には家紋があるように、神社には神紋がある。日本の紋章は、植物、動物、自然、器物、建造物などを図案化したものが多く、その中でも動植物や自然を図案化したものが大多数を占める。これは、日本人が古代から自然と密接な関係の中で生活を営み、文化を築いてきたからといわれる。
 神輿屋根型屋台には、屋根の各面に屋台紋と呼ばれる紋が取り付けられている。屋台紋は天満宮なら梅鉢、八幡宮なら左三つ巴といった氏神様の神紋を基本とし、これに地区ゆかりの紋や、象徴となる紋を屋台の前後と左右で組み合わせて取り付けた屋台も多い。このため、東山屋台の千成瓢箪や、東堀屋台の違い鎌のように、地区固有の屋台紋も見られる。
屋台の棟には、屋台紋を固定するための「紋木」が取り付けてあり、屋台紋の種類によって紋木の形状も様々である。紋木に取り付けた屋台紋は、紋の側面から釘を打って紋木に固定される。

 屋台紋は錺師が立体的に打ち出して仕上げるため、紋帳などの書物で見る平面で描かれた紋とは異なる豪華で立体的な仕上がりが特徴である。紋の種類によっては、錺師の技や創作によってより洗練された構図に製作する場合も見られる。同じ紋でも地区や手掛けた職人によって打ち出す曲線が微妙に異なって見えるのも、錺師の手作りの味となっている。各地の屋台で見られる様々な屋台紋は、屋台が持つ個性でもあり、錺師と祭り屋台が生み出した立体的な屋台紋は、播州ならではの文化である。
 江戸時代末期頃の屋台は、天満宮は梅鉢、八幡宮は菊と巴紋が一般的だが、明治4年(1871年)に発布された皇族以外の菊紋使用禁止によって、天皇家の神格化と共に民間での菊紋使用が遠慮されるようになり、次第に菊の花心に二引両や巴紋などを入れて皇室との重複を避けたり、巴や菊水など別の紋に変更する地区も増えた。現在見られる多様な屋台紋は、こうした時代背景によって生み出されたともいわれ、灘のけんか祭りで知られる東山屋台の千成瓢箪は、豊臣秀吉の馬印である千成瓢箪を以前の屋台に使われていた菊紋に似せて作らせたといい、魚吹八幡神社社務所に展示している坂上先代屋台は菊紋の上から龍を取り付け、姫路市書写の里・美術工芸館に展示されている宮田先代屋台は菊紋の上に松と鷲を乗せており、時代背景から新たな紋に置き換えられたと伝えられている。

 


屋台屋根と梅鉢の紋木

梅鉢紋の取り付け

紋の側面も曲線を描く