屋台の彫刻

 

 


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 彫刻師が屋台彫刻で手掛けるのは、露盤(ろばん)、狭間(さま)、正角(しょうすみ)、脇棒受けなどで、平屋根型布団屋台では木鼻(きばな)や雲板(くもいた)などがある。
 播州の屋台彫刻は、繊細で奥行きのある立体彫刻が特徴である。露盤には、天に駆け上がろうとする昇り龍や、歴史上の物語に登場する豪傑の勇姿などが彫刻され、狭間には、神話物や歌舞伎の名場面、合戦図などが彫刻される。斗組の外側にある正角には、龍や唐獅子、獏などの神獣が彫刻され、軒下の四隅から四方に睨みを利かせ、魔除けの役割を果たしている。
 姫路市西部の網干区や、たつの市御津町方面の屋台に多い腰組高欄では高欄を支える斗組の間にも彫刻が施され、脇棒を取り付ける脇棒持ちには、脇棒をくわえるように獅子や龍などが彫刻されている。木鼻は井筒端の部分に獅子などの動物の頭部を彫刻したもので、一部の網干型屋台や平屋根型布団屋台に見られる。雲板は平屋根型布団屋台の軒下に施された彫刻板のことで、龍や鶴、風景や雲模様などが見られる。
 

 


 社寺彫刻では龍や獅子、獏などの神獣や鶴、鳳凰、孔雀、山鵲といった神聖な鳥類が彫刻の中心となり、人物が登場する題材では、儒教の教えを説いた中国の孝行物が多い。屋台彫刻の中で、最も製作に手間がかかる部分は狭間で、それだけに繊細な彫刻美を堪能することができる。狭間は社寺彫刻でいえば、虹梁と軒下の間にある蟇股に相当する。蟇股の彫刻は龍などの神獣彫刻がほとんどであるが、狭間彫刻になると、子ども屋台を除いて神獣を彫刻した作品は数少ない。露盤彫刻も一世代前までは龍の彫刻が多く見られたが、近年製作される露盤のほとんどは歴史物語を題材にした人物ものが大半を占めている。繊細な彫刻美が見せ場の屋台彫刻では、神獣より合戦図などの方がより繊細な表現ができ、戦い真っ直中という武将の荒々しい様子が、勇壮な屋台練りの情景と合間って普及したものと思われる。こうした合戦物の彫刻は、播州を始め、大阪や神戸のダンジリに多く見られ、関東方面の山車彫刻にはあまり見られない傾向から、全国的に見ても関西独特の文化といわれる。