播州祭り屋台泥台(どろだい)

 

 


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参考文献

■99/09/01開設
■07/08/17最終更新
■10/06/14文面修正
 


 


 泥台とは、屋台の足の部分のことで台場とも呼ばれる。泥台には屋台の重量や、屋台練りの衝撃に耐えるだけの強度が必要で、四本の脚柱の上下に貫を組み、脚柱の開き止めにボルトを通して補強する。補強用の建築金物やボルトが普及する以前は、脚柱と貫のホゾを組んだところから、樫の木で作った込み栓を打って補強と開き止めにしていた。現在ではボルトで固定されるため、込み栓を省略する屋台がほとんどである。地面に接する脚柱の下には石突と呼ばれる鐶がはめ込まれ、衝撃による木部の摩耗や割れを防いでいる。
 屋台によって例外もあるが、神輿屋根型屋台や反り屋根型布団屋台では檜の泥台が一般的で、三木市方面に多い平屋根型布団屋台では欅材の泥台が一般的である。
 泥台も地域や練り方によってそれぞれ特徴が見られ、飾磨の浜の宮天満宮の屋台は「台場差し」に対応した造りになっており、恵美酒宮天満神社では「台場練り」に対応した造りになっている。網干方面では泥台にも塗りが施され、青貝を散りばめた螺鈿(らでん)細工を施した泥台も見られる。布団屋台や網干型を含む一部の神輿屋根型屋台では、上下の貫の間に太鼓隠しと呼ばれる格子をはめ込んだ泥台も多く、中にはこの部分に彫刻を取り付けた屋台もある。
 



ホゾに打ち込まれた込み栓

 

屋台の泥台
 
屋台の泥台は、脚柱の上下に貫が通り、下貫には四本柱を立てる四本柱受けがある。四本柱受けは泥台の筋交いの役割も果たしている。本棒は泥台脚柱の上に作ったホゾに差し込み、その手前に脇棒受けを取り付ける。本棒を取り付けるホゾは、本棒上面を貫通しており、本棒の上に出たホゾは高欄の固定と横滑りを防ぐ役割を果たしている。

 

太鼓隠し入りの泥台
 
布団屋台や一部の神輿屋根型屋台では、泥台の上貫と下貫の間に「太鼓隠し」と呼ばれる格子を取り付けている。格子は縦材と横材を組み合わせた碁盤格子が最も多いが、屋台によっては格子を斜めに組む菱格子も見られる。

 ■特殊例
 

「台場練り」用の泥台(都倉/姫路市・恵美酒宮天満神社)
 
「台場練り」を行う恵美酒宮天満神社の屋台は、泥台の脚柱外側に角(つの)と呼ばれる突起がある。これは、泥台の下貫先端を半分にして脚柱のホゾ穴に抜き通し、その上部に唐草等を彫刻した三角の板を補強として取り付けている。台場練りは、練り子が下貫に4人ずつと、各々の角に1人ずつ入り計24人で行う。

「台場差し」用の泥台(須加/姫路市・浜の宮天満宮)
 
「台場差し」を行う浜の宮天満宮の屋台は、泥台が広く造られ脚柱が本棒の外側にある。このため、泥台上部のホゾは脇棒受け(脇棒持ち)を貫通して高欄を固定している。泥台下貫先端には角と呼ばれる突起があり、台場差しは泥台の貫と角だけで屋台を差し上げる技で泥台内部にも差し手が入るため、四本柱受けは上貫に取り付けている。本棒と脇棒は練り子が屋台を受けやすくするため丸型になっている。

網干型屋台の泥台(田井/姫路市・魚吹八幡神社)
 
網干方面の屋台はチョーサで差し上げたあと、一旦腕で抱えて再び差し上げる動作を行うため、一般型の屋台に比べて泥台が短い。また屋台を地面に落としたり、地上げによる衝撃もほとんどないことから、泥台にも塗りを施し装飾性に富んだ造りになっている。地区によっては特殊な塗りや青貝を散りばめた螺鈿(らでん)細工を施した屋台も多い。

大江島屋台の泥台
 
泥台脚柱と貫には蒔絵を施し、太鼓隠しの格子は金箔で仕上げている。大江島では、以前の布団屋台で使用していた狭間を、泥台の太鼓隠しに使っており、これは、浪花彫刻師・小松源蔵の作で文久3年(1863年)に製作されたという。


 

彫刻入りの泥台(旧志染中屋台/三木市・御坂神社)
 
三木市・御坂神社に奉納される旧志染(しじみ)中屋台は泥台の太鼓隠しの部分が彫刻になっている。播州の屋台で泥台に彫刻を取り付けた屋台はごく少数で、淡路島や大阪、神戸方面では泥幕彫刻と呼ばれている。